快適な環境と健全な社会へ

■快適な環境と健全な社会へ

【 提言 太陽学校建築へ (建設通信新聞 2008.11.28 掲載) 】



 学校は最も重要な公共施設のひとつで、この運営は恒久的なものといえます。
 この施設を利用する人々に快適な環境を提供し、維持費をゼロに近づけることが出来れば、健全な社会が実現する大きな助けになります。
 この相反する2つの課題を可能にするただひとつの方法は太陽光のエネルギーの活用であると思います。タイトルを「太陽学校建築へ」とした所以です。


 これまでも学校建築は日当たりのよい敷地を確保し、南向きの大きな採光窓と、大きな教室空間を確保するために主として鉄筋コンクリートの構造体が採用されています。
 一歩前進すれば良いのです。まず太陽の年間の運行の軌跡を活用します。
 冬は南側の低い高度を運行する太陽の光をできる限り取り込み、夏は高い高度を運行する太陽の光を庇などを活用してできる限り排除します。
 次に建築を人間の身体の様に作ります。
 柱一梁は骨格、床・壁・天井は筋肉、これらを皮下脂肪の役目をする断熱材がくるんで、皮膚一外壁が保護します。
 南に大きく開口部を設け、高い断熱性能のガラスを嵌めます。
 この開口部の上部の庇で、夏の日差しを避け、冬の日射を室内に導き入れます。
 このようにすれぱ熱容量の大きな構造体は、冬は蓄熱体・夏は蓄冷体となり、建築空間を冬暖かく夏涼しく保ちます。
 シミュレーションによって性能を予め評定できます。
 太陽熱温水器と太陽電池を加えて出来上がります。
 スケルトン インフィル―恒久的な構造、変化する内装と設備、と言う概念があり、建築の長期利用に寄与していますが、これにスキンー高断熱高気密+集熱・発電する表皮を加えこれで快適環境とこれを維持するエネルギーを獲得すれば、建築はエネルギーを自給して永く活用出来ます。
 既存学校建築はその構造体と大きな開口を活用し、耐震化と同時に断熱を強化し開口部を複層多層化すれば、構造体は有効な蓄熱蓄冷体に変わり、太陽建築学校化が可能です。


 アメリカ パッシブソーラー会議のでの1983年の報告によれば、太陽エネルギーを利用した公共建築の建設費は利用しない施設のそれを大きく下回りました。
 機械設備の低減化によります。また最近アメリカの3州から日当たりのよい教室で勉学した生徒の成績が大幅に向上したとレポートされていて、世界各地で教室の自然環境整備が検討され始めています。
 また太陽学校建築は緊急時にその能力を発揮します。
 四季を通じて校内は快適であり、太陽光発電を従来型の蓄電装置あるいは新しいキャパシター・燃料電池等の装置により蓄えて電力を供給し、雨水の利用と浄水装置によって生活用水は確保され、太陽熱により温水が供給され、高度汚水処理装置によって汚水は浄化(実績によれば5PPM以下)されます。


 母なる地球に育まれ、父なる太陽の恵みを受ける太陽学校建築は、シミュレーションによれば宗谷岬から西表島まで、完全なゼロ化石原子力エネルギー・ゼロエミッションがこれからは可能です。
 地球温暖化停止へ!

kijyou01.jpgkijyou02.jpg
【酒田東高校同窓会館研修施設】 南側に大きな複層の開口部を設けることで、内部は最奥部まで明るく、最適空間となる。